アナリストレポート拾い読み(2015年7月15日)

 
【モルガンスタンレー証券】
不動産セクターのレポートでは、配当性向引き上げや自社株買いといった株主還元に係る好材料が出てきやすく、反対に株価が織り込んで来た悪材料(ギリシャ問題、米国利上げ等)は出尽くす可能性が高まってきたと指摘。インバウンドやオフィスビルの供給減少、空港民営化、不動産保有会社によるTOB、鉄道会社の経営権取得、日銀の追加流動性緩和がカタリストになると考え、業界投資判断「アトラクティブ」を継続。個別では、住友不動産>三菱地所>三井不動産>東京建物>住友不動産販売>東急不動産>野村不動産>ダイビルの順に推奨しています。

【UBS証券】
運輸セクターの決算プレビューでは、海運は厳しい市況環境にもかかわらず、円安・燃料安のメリットにより前年水準はクリアできたと指摘。航空では、日本航空は円安によるコスト増から15年度ガイダンスは減益予想も、第1四半期は国際線需要の好調によって増益を確保、ANAも座席利用率の改善で計画を上回る増益を確保できたとの見方で、鉄道では運輸企業のなかでJR西日本だけが通期ガイダンスを増額する可能性が高いと解説。個別では、近鉄エクスプレス、日立物流、日本郵船、商船三井、川崎汽船の買い推奨を継続しています。

【SMBC日興証券】
商社セクターの決算プレビューでは、伊藤忠商事や三井物産など一過性利益の計上によって純利益が押し上げられるケースがあると見るも、大手5社では実態ベースは概ね減益トレンドを想定。前年対比では円安効果が下支えとなる反面、大幅に下落した鉄鉱石・石炭・原油価格の減益要因が大きいとの見方で、このトレンド自体は市場の想定通りで概ねサプライズはないと解説。個別では、三菱商事を中期トップピックに、短期では双日のリバーサルにも注目。業種格付け「中立」を継続しています。

【クレディスイス証券】
建設セクターの決算プレビューでは、堅調な業績が確認でき、各社営業増益を達成すると予想。利益成長の原動力は単体建築事業の粗利益率の改善とみて、建築事業で差別化を行う企業の評価が高まると予想、決算発表後のカンファレンスコールにおいて製造業からの受注が増加しているとなれば、清水建設&大林組の評価が高まると解説。セクター判断「マーケットウエイト」を継続、個別では長谷工をトップピック、次いで清水建設も買い推奨してます。

【大和証券】
銀行セクターの決算プレビューでは、第1四半期は市場部門の牽引から順調な利益進捗を示すと予想。通期純利益も銀行予想を上回り2014年度対比でも増益決算になるとの見方で、年間配当は軒並み計画から増額になりそうと解説。バリュエーション面での割安感は鮮明、自己資本比率規制への対応が進み各行とも株主還元に積極姿勢と評価して、日米長期金利底打ちも背景に市場での選好が強まる展開を期待。セクター判断を「中立」から「強気」に引き上げています。

【野村証券】
ゲーム・レジャーアミューズメント業界の決算プレビューでは、ゲーム業界のテーマとして、コンソールゲーム会社のモバイル戦略の変化とマルチプラットフォーム化、激戦期に突入する海外PS4向け対応力の2点に注目。決算がポジティブな銘柄は、スクウェアエニックスとカプコン、ニュートラルな印象はコーエーテクモ、バンナム、任天堂、コナミ、サンリオ、ネガティブな印象はネクソン、オリエンタルランドと予想して、推奨順位をスクウェアエニックス=ネクソン>HIS=コーエーテクモ>バンダイナムコの順に設定しています。


 




 

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